半年に一度のKFCフライドチキンを12個食べる儀式
驚かずに聞いてくださいね。
チキンの容器の蓋を開けた瞬間、
私の蛮族指数は『7兆』を記録しました。
これが如何なる数値なのか具体的に申し上げますと、その日の自分は、
フライドチキン専用の業務用シュレッダー人間だったという事です。
以下は、完食までの過程を区間分けしての感想です。
【1-4個】
いつの間にか、4つのチキンが忽然と消え失せていました。
荒ぶる食欲が、もはや蝗害バッタとピラニア軍団と冬眠に失敗した大熊のキングギドラ状態だったので、食べた記憶ごと食べてしまったのですね。
さぞ美味しかったに違いありません。
【5-8個】
空腹感が失せ、ようやく文明開化しました。
この区間は、肉の味や口触りを冷静に実感できるので、非常に人間人間しています。
油と肉汁にまかせて鶏肉を喉へ滑り込ませる事に、無上の喜びを感じずにいられません。キリストの身体が、パンではなく、フライドチキンに変わるとしたら、自分は今ごろ敬虔なカトリックだったでしょう。
【9-10個】
『満腹感に苛まれながら食指を動かす』という、
自分の倒錯っぷりに、飽食の時代を実感します。
この段になると、チキンが好きだった頃の自分が思い出せなくなり、目の前の鶏肉塊を口に運ぶ目的を忘れ始めます。
【11-12個】
「もう1ピースも食べられないよ」と嘆きました。
すると、高血圧な哲学者は、
「でも、鶏皮1枚なら食べられるはずだ」と言います。
確かに食べられました。
続けて哲学者は、
「ほぐした鶏肉のひとつまみならば、まだ胃袋に入るだろう」と言います。
私は「そんなわけあるまい」と思いましたが、確かにまだ食べられました。
さらに哲学者は続けます。
「もうひとつまみなら食べられるだろう」
この問答は延々と繰り返されました。
するとどうでしょう、
最終的に、全てのチキンを食べ尽くしてしまったではありませんか。
(つぶやき廃棄所)
『チロル/Tyrol』はオーストリアにある地域のことで、「チロルチョコ」の名前の由来になった。 中世にこの地域を治めていたチロル伯爵のチロル城があるぞ!
『自己整合語』とは、単語のうち、その意味・特性が自己言及になっているもの。 例えば「名詞」という単語はそれ自体が名詞であり、「短い」という形容詞はそれ自体が短い。 「自己矛盾語 」はその逆で、「二文字」は三文字であり、「長い」という形容詞はそれ自体は短い。
『ガスライティング/Gaslighting』は虐待の一種で、「あなたの認識・記憶は間違っている」と嘘を吹き込み、被害者に自分自身を狂人だと思い込ませるというもの。 「ガス灯」という映画が名前の由来。
『建前』は、家屋の建築の際、主要な骨組みが出来上った時に行うお祝いのこと。
『カニンガムの法則』は、「インターネットで正しい情報が欲しい時は、誰かに質問するよりも、間違った答えを書くのが最良の法則である」という格言のこと。 wikiの発明者であるウォード・カニンガムさんの名からとられた。