すごいニッチ手稿

この報告いる?

週記9/15-9/21 レアチーズ・フューチャー

牛乳パックに入ったレアチーズの食レポ

 

むかしドラえもんの映画で、大根を割るとホカホカの料理が出てくる話があった

品種改良を極めた22世紀の世界では、大根の中身は好きに決められるらしい

 

冷静に考えると怖いけれども

幼い時分、それはもう憧れに憧れた

そして今現在の大根の性能の低さに歯噛みした

割っても割っても大根からはお刺身も唐揚げも出て来やしない

大根の中身はいつだって大根だった

それが現実だった

 

それから年月を経て

ついに、牛乳パックを開けたらレアチーズが出てくる時代が訪れた

ああ自分は未来世界にいるのだと、感慨深くパックを開けて、切り分けて、お皿に盛られた姿は殆ど豆腐であるが、一口食べるとレアチーズケーキなのである

大変美味しい

 

食べていると、世界から切り離される瞬間がある

 

レアチーズに喜ぶ99%の自分の傍らで

たまに、恐ろしく冷静な1%の哲学的な自分が

「一体自分は何を食べているんだろうか」と問いかける

その度に、夢の中に入ったような、あるいは逆に、現実に引き戻される感覚がある

 

これは精神のバグだろう

そしてその原因には心当たりがある

たぶん、自分はまだ「レアチーズケーキが食べたいな、よし牛乳パックを開けよう」という支離滅裂な手続きを受け入れられていない・・・

22世紀を司る脳の分野が出来上がっていないのだ・・・

 

恐ろしいのは、もし今後このレアチーズケーキを2回3回・・・・・と食べたとして、どこかで「これはレアチーズケーキなんかではない、■■■■だ!」などと、何らかの隠された真実に気付いてしまう事である

 

何かに気付いてしまったら最後

神と崇めていた巨岩がただの石だと知るように

かわいい着ぐるみの中身を垣間見るように

チーズケーキという夢が終わってしまうような気がする

今はただ、魔法が解けてくれるなよ、夢から覚めてくれるなよと願いつつ、一口一口を大事に食べている

人間の感覚の脆弱性に直面しながら食べるチーズケーキはあまりにも味わい深い

 

これが1本330円・・・・・・・・・・・・

 

お得!

 

(つぶやき廃棄所)

『魚卵全般』を指す言葉として、ヨーロッパでは「キャビア」が用いられ、ロシアでは「イクラ」が用いられる 昭和初期の日本では、「キャビア」は「イクラ」を指して用いられていた

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『礎(いしずえ)』は、「石を据え置く」ようすが語源

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