ひつじ
グラブル周回中にBLACK SHEEPを観たよ
目の前にはPCがあって、GranblueFantasyの無限周回イベントに勤しんでいる……。
安いミルクティーを飲む……。
もろ出しの人工甘味料が味蕾を喜ばせ、紅茶であろうらしいような香りが鼻腔をさまよう……。
ClickClickClickClick――紅茶を飲む――ClickClickClickClick―――。
もうドレダケ走っただろう?箱が1つ、箱が2つ、箱が3つ、箱が……9つ……。
後、91箱足りない……ClickClickClickClick――紅茶を飲む――ClickClickClickClick―――。
こういうデジタル畜生界に身をやつしている時……心の人間部分がチョットした刺激を求めてくる……。この周回に並行して、何か楽しいモノが観たくなる……。
しかし、周回そっちのけで見入ってしまうような、楽しすぎるモノはいけない……。
おれはおもむろAmazonPrimeVideoに手を突っ込む……。
グチヤア……グチヤア……辺りに、獣が臓腑を貪るような、糠漬けの中から最後のキュウリを探すような音が響く……。そうやって、よさげなB級映画を取り出して傍らに据える……。
B級映画は良い……。
人間の生きる意味とか、現代社会への問いかけとか、巧妙に組み立てられたプロットとかが無い。キラーなんたらに殺されて、爆発に巻き込まれて成仏して、鮫に食べられて死ぬ。A級映画に比べ、鑑賞に割く意識が少なくて済み……刺激的なシーンの数々がアドレナリンの分泌を促し、周回がより加速する……CliCliCliCliCliCliCliClick――紅茶を飲む――CliCliCliCliCliCliCliClick―――不埒なパーティー・ピープル達が殺人ビーバーに襲われる――CliCliCliCliCliCliCliClick――。そして、友人たちに変な映画について語れるようになる。
でも、BLACK SHEEPはそうして観るには惜しい作品だった。
B級映画の中のA級映画だと思う。また改めてじっくり観なおしたい。
後続のために見所を3つ挙げようと思う。ネタバレもある。
〇羊
舞台であるニュージーランドは人口より羊の数の方が多い。
恐竜が全部羊なだけのジュラシックパークであり、生の羊が大量に登場する。
まずそれだけで幸福指数が高い。あのもこもこを見るだけで癒される。
さらに、羊が人をシバき上げるシーンが豊富にあり、幸福指数は2乗になる。
Youtubeには可愛い羊動画は数あれども、羊が人間を貪る動画や、羊が車をジャックして崖から落とそうとする動画はまだまだ少ない。そういった、羊のダークな部分を補完している点でたいへんな価値がある。
〇人々
コメディパートのキレがやたら良い。なんか元気な人が多い。
特に、思想強めのあほあほヒロインのキャラが良すぎる。
終始、資本主義に染まった冷酷ビジネスマンとして悪役に徹していた兄者も、最後はおちんちんを羊に嚙まれて爆発四散する。初期のサウスパークを思わせる、ショッキングとジョークの応酬で、個人的にはめちゃくちゃ好きだった。
〇Transfur
羊に噛まれた人間が、羊人間になるのは周知の事実――ビーバーに噛まれた人間がビーバー人間になる様に――だが、人間が羊人間に至るまでの過程を描いた作品は多分ほとんど無い。BLACK SHEEPはその過程をやたら段階に分けて描写している。マズルが有ったり無かったり、体が部分的に変異していたりで、やたら細かい。制作陣になにかしらのプロが居るに違いなく、変異のシーンは必見である。
今度のグラブルのストイベはBLACK SHEEPの3週目を観るぞ。
(つぶやき廃棄所)
『カンガルー裁判/Kangaroo Court』は、裁判官・検察官・弁護士たちが、証拠の隠蔽や虚偽の証言を存分に振るうイカサマ裁判のこと。 そういった裁判は、カンガルーの移動の様に、不規則かつ速やかに進むという。
『ピロリー/Pillory』は、顔と手を拘束するタイプのさらし台のこと。3つの穴が空いていて、そこに首と両手首がはめ込まれて放置される。つらそう。
『栗』は英語で「チェストナッツ/Chestnut」という。「マロン/Marron」はフランス語。
『猿裁判』とは、1925年アメリカのテネシー州で、公立学校の理科教師が、州法に反してダーウィンの進化論を生徒に教え、有罪判決を受けた裁判のこと。
『カブトガニ』は英語名では「Horseshoe Crab」と言い、直訳すると「馬蹄ガニ」になる。