TDDの風に触れてみて
1 このシリーズのファンはお気の毒様としか言えない
朝の習慣に「このシリーズの視聴」が組み込まれている人達にとっては、井戸に毒を投げ込まれたかたちと思う。強く生きて。
2 怒りの娯楽
人間ドラマを4分類した時
a.良い人が→幸せになる
b.良い人が→不幸になる
c.不道徳な人が→幸せになる
d.不道徳な人が→不幸になる
aとdは勧善懲悪を成すので、視聴者にとって喜ばしい。一方で、bとcは胸くそ話に他ならない。
TDD内のイベントは殆どbとcで構成されているため、怒りの感情のみ発生する。
ただ、それも良いかもしれない。何かに対し激怒するのも娯楽だと思う。
対戦ゲーム・ゴシップ誌・スポーツ鑑賞の界隈を見るに、彼らはキレるのを楽しんでいる節がある。
日常生活で抱えがちな「やり場のない怒り」にラベリングをして、TDDという廃棄物処理場に全力投棄するのも良いのではないか。
3 痕跡を追う娯楽
まだ科学が発達していなかった頃、人々は支離滅裂に思える自然現象の発生原因を寓話的に解釈した。
落雷は神の怒りで、やまびこは妖怪の仕業と言う風に、自分たちとは別の世界に住む者たちに思いを馳せる。
科学という一種の「答え」が無い世界には、現象の解釈に妄想の余地が有った。
TDDには、そういう楽しみがある。
Q.どうして時間が飛んだのだろう
A.きっと脚本家と揉めたに違いない
Q.なんか登場人物が全員狂っているように見える
A.きっと昭和ではこれが普通だったのさ
Q.なんであそこであんな食べ物が出るの
A.ダイスを振ってファンブルが出たんだよ
余白の多すぎる作品だからこそ、自由な解釈の翼をはためかせて行きたい。
(つぶやき廃棄所)
『カイル』とは、昔のOfficeソフトに居たイルカの名前。2007年頃に絶滅した。
『プロクルステスの寝台』とは、無理矢理型にはめる事を意味する故事成語。 ギリシャ神話に登場する拷問男プロクルステスは、旅人の背丈がベッドと同じになるように、旅人の体を切断したり伸ばしたりした 最後は、英雄テセウスの手で、逆にベッドに寝かされ、長さ調整のため頭部を切断され死亡した。
『チューリップ・クリーチャー』とは、カンブリア紀の謎生物「シファッソークタム」の通称。 花弁のような体表の下部に6つの口があり、上部に1つ肛門がある。
『ライデンフロスト効果』とは、液体をその沸点よりも遥かに高温なところに垂らした際に、接触面がすぐさま蒸発し、ホバークラフトめいて浮遊する現象のこと。 くっそ熱いフライパンに水滴を落とした時の振る舞い。
『スタンダール症候群』とは、あまりに美しいものを見た際に、体が不調をきたす現象のこと。あまりに尊すぎて動悸や心神喪失する。 美しい……ヌッ!
『ザンダー錯視』とは、2つ並んだ平行四辺形の対角線が異なった長さに見える錯覚のこと。 なんとなく左の対角線の方が長く見えるが、右の対角線と同じ長さ。