n人羽織
職場のゴミ箱が溢れそうだったので、中身を処分した。内側の70Lポリ袋を取り外して、ゴミ捨て場に持って行き、新たなポリ袋をセットする。なんてことない作業だが、ちょっと面倒ではある。
ここ半年、このゴミ箱が溢れているのを見たことがなかった。誰もが高頻度で使うにも関わらず、常に7割以下の充填率だったように思う。
ということは、誰か他の従業員が頻繁に回収をしてくれていた筈で、大変なありがたみを感じる。
善良指数が弥高い僕は、すぐさま感謝の意を伝えたくなったが、一体誰がやってくれているのか分からない。
当番制でもないので、恐らく気付いた人がやっている。つまり複数人で、面倒臭がりではない性格の、ランダムな従業員だろう。善良なゴミ収拾者の正体は、ふわふわした確率の霧みたいになる。このままでは感謝の対象を特定できない。
そこで、『妖精』が回収してくれたものとした。あの職場には親切な妖精が居り、皆の気付かぬところで、ゴミ回収という面倒な業務を請け負ってくれているのである。ティンカーベルみたいに。
ありがたやありがたや。
そうした時、この妖精の正体は何かと改めて考えてみた。
仮に、ゴミ回収を行っている従業員が、自分を含めて2人だけだとしたら、妖精の正体は、僕ともう一人で構成された「二人羽織」と言える。しかし、実際は何人か分からない。ということは「n人羽織」なんだろう。
複数の人々の妖精的行いが合わさって1匹の妖精が誕生している。この妖精へ感謝の意を示したいなら、自分もn人に加わるのが一番だろう。次からもゴミ箱が溢れていたら回収しようと思った。
中世の日本人達が、自然界の謎現象を「妖怪の仕業」と解釈し名前を与えたように、この素敵な妖精にも名前が必要に違いないと考え、遂に「アルティメット・バッドアス・スカベンジャー」と命名した。
次はおまえの鎖骨を回収してやる
(つぶやき廃棄所)
『"ヘソ"は上半身なのか下半身なのか?』という論争は未決着である
『ドツボにはまる』の「ドツボ」は肥溜めのこと
『ぶつぶつ川』は、和歌山県那智勝浦町にある日本一短い川である。長さ13.5m
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『国道339号線』は、「階段のみで構成された区間」が存在する唯一の国道。青森県にある。
『おかき』と『あられ』の違いは大きさのみで原料は同じ。大きいのがおかき、小さいのがあられ。