すごいニッチ手稿

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週記10/20-10/26 功徳怪奇譚

宇治拾遺物語の感想:飛ぶ托鉢について

 

 

托鉢とは、お坊さんが施与を受けるのに使うお椀のような物体で、

僧侶達はこれを持って信者のもとを回り、金銭や食べ物を得ている。

 

ただ、それは並の僧侶の話で、恐ろしく徳が高い僧侶の場合、托鉢を自由自在に空中浮遊させることが出来るらしく、作中では、喉が渇いたので托鉢を川へ飛ばして水を汲んで飲んだり、資産家のもとへ飛ばして施しを受けたりしている。

 

実用性が高すぎやしないか。もはや功徳駆動のドローンである。

自分は徳が低いので、托鉢の飛翔を当然とする異常文脈に脳を焼きつくされ、一度は宇治拾遺物語から脱出し、しばらくは源氏物語に逃げていたが、やがて大量の光源氏成分を致死量寸前まで直に浴びてしまい、宇治拾遺物語への帰還を余儀なくされた。

 

しかし、人間の脳はうまく出来ており、時間を置いて読み返してみると、以前ほど托鉢話で脳を焼かれなくなった。托鉢耐性が付いたのか、はたまた自分の徳が上がったのか、知らず知らずのうちに、心の中に空飛ぶ托鉢を受け入れる余地が出来つつあった。これを成長と呼ぶのだろう。ページをめくる手は以前よりも軽やかになった。

 

それからは、途中一度、中国の僧侶達と日本の僧侶が飛ばした托鉢の速さを競うような托鉢・レーシングのくだりがあり、再び脳が全焼したが、おおむね無事に読了へ至った。たぶん、人は皆、人生のどこかで托鉢が飛ぶ事と、バイクに乗りながら決闘する事を飲み込まなければいけない日が来る。

自分はそれが今週だったらしい。

 

ちなみに、托鉢を飛ばして水を汲んだ僧侶は、自分が放った火炎放射を反射されて徳バトルに敗北し、資産家に飛ばした僧侶は、資産家の蔵ごと托鉢に乗せて徴収して貴ばれた。徳が高ければなんでも許されるらしい。

 

(つぶやき廃棄所)

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