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週記6/24-6/30 贋金絶頂少年の謎

ハイパーインフレーション1巻を読んだ

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おれはハイパーインフレーションを読んだ。おまえも読んだにちがいない。

きっかけ

書店でコミックを目にした時、面白そうだなと思った。

最近、世界史への興味が湧いていて、歴史の本を色々と読み漁っていた。中でも、「会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語」が非常に楽しく読めたので、特に経済の歴史への興味がいっそう増していた。

 

そこへの『ハイパーインフレーション』である。

この経済用語ド直球のタイトルに目を惹かれてしまった。

 

 「インフレ」と言えば、物価がエグい事になり、パン一つが何億何兆という価格に達し、紙幣をサンタクロースの様に袋詰めして買い物に行き、子供たちが札束で積み木遊びをしている、ドイツやジンバブエで起こった金融アポカリプスだろう。そうなった政治的理由や経済のメカニズムは分からないが、それも明らかになるに違いない。

 

ドラえもん」を読めばドラえもんの日常が分かり、「エヴァンゲリオン」を観ればエヴァの秘密が分かるのだから、主人公の経済デュエルを通じて「ハイパーインフレーションとは何たるか」が語られる筈である。読後に振り返ると、その予想は間違いでは無かったが、説明としては圧倒的に不十分だったと言わざるを得ない。

自分の行った予想はテニスの王子様」を初めて読む際に「どうせイケメン達がテニスするだけでしょ?」と言ってるぐらいの八甲田雪中行軍である。一人ダブルスと百八式波動球で脳震盪を起こし、やがてSUNDAYに到達し死ぬ。ハイパーインフレーションは、確かに右の耳元では予想通り経済と知略のロジックが語られてるが、同時に、左の耳元では作者のショタへの熱い思いが囁かれているのだ。

 筆舌難易度が高い

 ”筆舌に尽くし難さ”に高低差をつけたいので筆舌難易度という事にした。

「(作品名)について教えて」

 「(作品名)ってどんなの?」 

と聞かれた時「頑張れば言葉で説明出来そうな作品」と

「明らかに不可能な作品」が存在する。後者が筆舌難易度が高い。

 例を挙げると、”ジョジョ”なんかはもう筆舌難易度が超高い作品なので、おそらく、早い段階から説明を諦めて「いついつにコミックを貸してあげるから読め」に話が運ぶと思う。

他にも彼岸島とかニンジャスレイヤー等が挙がる。

 当然、ハイパーインフレーションも含まれる。

 筆舌難易度の高い作品は、独りではなく皆で消化する方が良い。

読後、SNSでみんなの感想(集合知)に触れるのが醍醐味だと思う。幸いにも、ハイパーインフレーション少年ジャンプ+で最新話が無料配信されているので、twitterで検索すれば、嘲笑から断末魔まで大量の感想文が見つかるだろう。

 

 感想

『奴隷商人に連れ去られた姉を救出すべく、

神から特別な力を授かった少年・ルークが帝国相手に奮闘する』

 という話だが、特別な力というのが目から殺人ビーム発射とかなら良かったのに

「生殖能力を失う代わりに、性的絶頂を迎えながら精巧なニセ札を体中から出す」

という恐ろしくニッチなもの。デメリット効果が多くないか。

ルーク少年は非常に頭の回転が速く、ニセ札生成能力を武器に修羅場を潜り抜けるわけだが、シリアスな駆け引きの最中、どうしても少年の絶頂シーンが何度か挟まれる。そういう能力なので仕方がない。制約と誓約はだいじ。ただ、駆け引きのロジックは全く頭に入ってこないので、漫画としても制約と誓約を負っている。

 

もし仮に、デスノートのルールに「ノートに触れている者の感度が3,000倍になる」みたいな一文があった場合、月とLのやり取りはどうなると思う?それはもう恐ろしいことだと思うよ。

 

筆舌難易度の高い作品というのは、クジラの龍涎香みたいなもので、作者のセンスや才能が正体不明の化学反応を起こさないと完成せず、狙って量産出来るものでは無いと思う。だから、こういう作品が読めるのはとても貴重な体験で、まずはこのファイナルディスティネーションに感謝したい。感想を述べるのはめちゃくちゃ難しいが、新たな話題の熱源を得た喜びと、今後の展開への好奇心は確かに存在する。 

 

おまえの歴史がまた1ページ

 

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