すごいニッチ手稿

この報告いる?

週記7/15-7/21 早すぎた埋葬

 供養する

『部屋のゲームソフト棚』っていうのはゲーマー精神のアルバムだと思う。

背表紙のタイトルをぼーっと眺めると、プレイ当時の記憶が呼び覚まされる。楽しかった事は夢の様に、苦しかった事は昨日の様に、脳の奥々が再点火されてゆく。

 

しかし、過去のゲームを再度やろうとは思わない。自分なりに遊び尽くして、もうやる事が無いからこそ棚に収まっている。逆に、今アツいゲームはゲームハードの中にある。ゲーム棚は、これまで操作したプレイヤーキャラ先祖代々の墓みたいなもので、記憶の片隅でひっそりと現在のゲームライフを静かに見守ってくれているのだ・・・

 

などと、ぽんわり浸っていたけれども

改めて見返すと、感じてしまったよね、どえらいエクトプラズムを。

グリードフォールは早すぎた埋葬だった。

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表紙からして、暗黒ヨーロッパ人間が原住民とドンパチやるオープンワールドゲーだろうな、と思って購入したところ概ねその通りだった。舞台は17世紀ヨーロッパ風の異世界で、不治の伝染病「マリコール」の治療法を探るべく、「ティアフラディ」という島を冒険する。そこでは原住民と開拓民がドンパチするのみならず、原住民同士、開拓民同士もいがみ合っており、主人公がどの派閥にゴマ擦りを強めるかで島の運命がふんわりと変わって行く。

珍しく、銃と魔法の両方が存在するゲームで、「魔法で敵の動きを止めて銃殺する」というファンタジー感ひかえめの戦法がラスボスにすら通用した。火も氷も雷も、或いは伝説の剣や召喚獣なんか要らんのです。原住民が信仰している怪物やら、利害不一致で決別した元仲間たちとの戦闘は、時間を止めて引き金を引けば解決する。単調・無感動の効率的侵略。あの時の自分は人生で一番ヨーロッパだった。

 

システム面もかなり凝ったゲームで、パリィ・緊急回避・ステルス攻撃など豊富なアクションと、武器防具の改造やスキルツリーでの成長要素もある。スカイリムにダークソウルの戦闘形式を融合させようとした意欲作で、間違いなく良ゲーだが、何の代償なのか日本語翻訳がはちゃめちゃに悪くAmazonレビューでは☆2.5の低評価を付けられてしまっている。たとえば、あるクエストでは、会話中の「狩人の主人」「マスターハンター」「狩りの達人」が同一人物を指しており、英語文の方がかえって理解しやすいのではと疑った。グローバルな昨今、日本語がフルサポートされて無いのがなんぼのもんじゃいと威勢を張ってストーリを追っていたが、原住民達の独特な言語体系と機械翻訳のマリアージュに読解耐久力が削ぎ落され、やがて提示されたクエストマーカーを追うだけのゲーミング・ゾンビへと身をやつしていった。

 

ただ、ゲームは結構面白い。

物語の分岐、高難易度への挑戦、ビルドの追求など、やり残したことが多い。なんならトンチキ翻訳で語られるファンタジー世界も嫌いではない。

じゃあ、何故やらないのかと、自問自答をすると

しんどい

煎じ詰めればこれに尽きる。

自分の中でグリードフォールは、ニンジャスレイヤーやハイパーインフレーションと並ぶ筆舌難易度の高い作品だという事が1週目の攻略で分かった、それを「他人の感想」という胃石無しで消化するのが如何にしんどいかは予想できる。だからこそ攻略をためらっている。

 

しかし、ニンジャスレイヤーやハイパーインフレーションに並ぶと思うからこそ、いまだに消化しきれていない事が未練として残っている。ああ、エクトプラズムの発生源は棚ではなく、自分自身だった。おれは成仏しないといけない。

 

 

 

(つぶやき廃棄所)

『インディーズ』は「インディペンデント/Independent(独立)」の略/

『エウブロンテス・ノビタイ』は2020年の7月に中国・四川省で新しく発見された恐竜の化石で、命名者のXing Lida准教授がドラえもんファンだったため、「のび太」が名前の由来になっている。/

泳法の『クロール/crawl』は英語で「匍匐(ほふく)」の意味。赤ちゃんのハイハイもcrawlである。/

絶望しすぎで心臓疾患が引き起こる事を『ブロークンハート症候群』という。逆に、喜びすぎで心臓疾患が引き起こる事を『ハッピーハート症候群』という。/

『冷たい』は「(寒すぎて)爪が痛い」が語源/

日本製の『シュレッダー』は1960年に明光商会が第一号を製造した。うどんの製麺機から着想を得たという。 「shred」は"みじん切りにする"という英単語で、shredderは元々キャベツのみじん切り機を指していた。/